ローマ帝国五賢帝の一人、トラヤヌス帝（在位：98–117 AD）の治世下で鋳造された銀貨「デナリウス」です。ローマ帝国が最大版図へと拡大した時期の貨幣であり、軍事的勝利と皇帝の権威を象徴する一枚です。
表面にはトラヤヌス帝の胸像が描かれ、彼の威厳ある姿が細密に刻まれています。裏面には、楯の上に刻まれた「on shield」のモチーフと、剣がその下に描かれた構図、そして座して悲しむダキア人（mourning Dacian）の姿が表現されており、ダキア戦争（現在のルーマニア地域）における勝利と支配の象徴的意匠となっています。
この銀貨は、ローマの軍事的拡大と属州支配の歴史を語る文化的遺産であり、美術的にも非常に優れた作例として高く評価されています。
第三者鑑定機関NGC（Numismatic Guaranty Company）により真贋鑑定済みで、Ch AU（Choice About Uncirculated）グレード。打刻5点、表面状態5点という最高水準の評価が付与されており、保存状態は非常に良好です。
トラヤヌス帝の治世とダキア戦争に関する記録としても重要な位置を占める本コインは、古代ローマ史や軍事史における貴重な証拠物でもあります。
 
Trajan Denarius
6330400-002